ツバメと商店街@奈良。

 

さくらが満開の季節よりも、商店街をツバメが飛び交っているこの時期が好きだ。昔ながらの商店街が残る奈良にはツバメの巣がたくさんあり、きゅい、きゅいと鳴いてはアーケードの中を元気よく飛び交っている。

都会の者から見るとこの風景はノスタルジックで、古き良き時代の名残のようにも思えてくる。だから、きっとツバメは木造の民家や老舗の町屋の玄関を巣作りの場所として好むはずだ、と思い込んでしまう。

けれども、ツバメからすれば人間の郷愁など知ったこっちゃない。そもそもツバメにとって、人間という生き物は自然界に後からのこのこ出てきた新参者だ。そしてこの新入りは、やることなすこと自然の摂理に反しまくるヘンテコな生き物なのである。人間はいわば「自然界のヤンキー」だ。

いつのことだか知らないが、ある日、スズメにすら負けてしまうツバメは、この「ヤンキー」を逆に利用して、自身とその家族を守る術を思いつく。ふむ、最弱ゆえの適応力だ。

(人間に襲われるリスク)<(天敵に襲われるリスク)

を彼らはクールに割り出してくる。

このように、ツバメはとてもワリキリがよい生き物で、子育てに都合の良い場所を追求していく。例えば、もちいどのセンター街入口のサークルKは、ツバメの巣の集合住宅と化している。ならまちへ行くときに必ず通るので、また機会があればご覧あれ。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

24時間営業だから明るくて嫌じゃないのかなー、って思っていたらそうでもないらしい。明るさよりも温度を優先するようだ。だからビルの車庫の信号も最高のロケーション。赤がいい?青がいい? そこは年中ついているランプのおかげで常時温かいのだ。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

じゃあ、どうして普通の信号機には作らないのか? 恐らく場所が高くて上が無防備なので天敵に狙われるからだろう。天候に左右されにくく、低くめの場所で、人通りが多くて、温かい場所。人間社会に溶け込んだツバメは、そういうところを好むようだ。

んー、これも馴染んでるなあ。ただし単なる保護色を求めているのではなく、ランプがこたつ代わりなんだと思う。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

One thought on “ツバメと商店街@奈良。

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください