『オープン・ユア・アイズ』の街並み。
大阪のど真ん中に暮らしていたことがあった。
毎年、1月1日の元旦に梅田界隈を散歩するのだが、
街はだれもいなくなる。
さすがに梅田だから営業している店舗はあるだろう、と思うのだが、
実際は全くやっていない。
やっているのはコンビニだけで、
結局、肉まんが私の「おせち」となる。
巨大な建物と広い道路だけの静寂のなか、信号機だけが動いている。
肉まんをほおばりながら、
まるであの映画みたいだなあ、と思ったりしたものだ。
『オープン・ユア・アイズ』の方は、
できるだけ無機質な近代的なストリートを
撮影場所に選んでいるとはいえ、
そこはスペインのマドリード、人がいなくても絵になる。
「なんで人いないんだ!」っていう不気味さだけが強調されている。
他方、『バニラスカイ』の舞台はニューヨーク。
撮影は2000年11月。ほんとに車と人を止めたようだ。
こちらの場合は、街自体の不気味さに焦点があたっている。
人がいないとニューヨークという街は
実にグロテスクなんだなあ、と。
皮肉にも、2001年の9.11でこれが現実のものとなる。
私が元旦の大阪で感じた不気味さは『バニラスカイ』
のほうだと思う。
そもそも元旦じゃなくても、
平日の梅田界隈は閑散としている。
それそれで快適なのだが、何か満たされないのだ。
歴史の無い街は、人ゴミでごった返していないと、
街それ自体の空虚さをごまかすことができない。
確かに大阪は名目上の歴史はあるけれど、
実質的に歴史と切り離された街だと思う。
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またも余談だけれど、
作品としての『バニラスカイ』のツッコミどころが多すぎて、
にゃんなんだこれはっと言いたい。
例えば、『オープン・ユア・アイズ』で主人公は
あえてフォルクスワーゲンに乗っている。
高級車を何台も所有しているにもかかわらず。
他方『バニラスカイ』ではフェラーリ250GTOに乗っている。
レトロカーとはいえ高速で走ることができる。
『オープン・ユア・アイズ』では、
自動車事故で顔面崩壊した主人公の自意識が、
スピードが出ない車を無意識的に選択しているという設定なのだ。
対して、『バニラスカイ』は原作の意味が全く分かっていない。
だからバーチャルリアリティーの中ですら危うい運転をしてしまう。
もうね、あほかと。でもペネロペかわいいから許す。
あと自画像交換するときのペネロペの絵が上手すぎる。
実は主人公が絵が上手いというギャップ萌のシーンだろうが。
お前も上手くてどーすんねん。
もうね、あほかと。でもペネロペかわいいから許す。
あと母性の描き方も根本的に違う。
原作では象徴的なストーカーに母性を託していたが、
リメイクでは、ストーカーは実在するイカレたねーちゃんになっている。
もうね。。。ペネロペかわいいよペネロペ。
以上
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