金剛力士界の異端児@東大寺南大門

 
 

 
 
こんにちは、okeihanです。

久しぶりの更新になってしまいました。
遅ればせながら
あけましておめでとうございます。

みなさん、初詣には行かれましたか?
私は年末年始ずっと体調が思わしくなく
お正月には行くことができませんでした。
どこかの神社で狛犬の位置を
確認しようと思っていたのに、ううう

以前、ならねこでこのような記事を
書かせていただきました。
⇒記事『狛犬と陰陽道との意外な関係』

上の記事に詳しく書いていますが
ざっくりまとめますと

陰陽道は自然界のいろいろなものを
『陽』と『陰』に分類したがる。
『陽』=左・阿 『陰』=右・吽

神社が陰陽道の法則を取り入れ、
狛犬の阿吽は、本殿から見て
阿形は左側、吽形は右側という法則がある!
といった内容です。

「本殿から見て」というのは
こちら側からということです。
DSCN2625
阿←   →吽

なので入口の鳥居から見ると
こういう並び方です。
DSCN2618
吽←   →阿
ちょっとややこしいですね・・・
 
 
初詣の時期は過ぎてしまいましたが
今日、大阪天満宮へお参りに行ってきました。
20140114_133616

狛犬の位置を確認してみたところ、
本殿から見て左=阿→法則通り
1389690000225

本殿から見て右=阿→?!
1389690028124
どっちも阿形?!なんでやねん!

先ほど調べた限りでは
昔は阿吽形だったのに
大塩平八郎の乱で焼けてしまい、
新しく市場から寄進されたものが
現在のダブル阿形だったとか。

なんでも江戸時代の大阪商人の間では、
狛犬を寄進するのがブームだったみたいです。

わくわくしながら
狛犬の法則を確認しに行ったのに
まさかの事態で一瞬パニックになりました。

しかも、おみくじを引いたら凶でした。
20140114_132148
「ただ祈るべし」って、えー・・・
 
 
2014年の運勢が不安になったところで
話は変わりますが金剛力士像っていますよね。

お寺の本殿へ向かうため門をくぐろうとすると
左右に立っていらっしゃる
筋肉ムッキムキの人たちです。
DSCN2669
狛犬と同じように
阿形と吽形2体置かれています。
狛犬の何百倍も強面ですが・・・

実は先ほどの『阿=左、吽=右』の法則、
金剛力士像にもあてはまるのです。
本殿から見ての位置なので、
お参りに行くときに見えるのは
反対の向き(阿=右、吽=左)になります。

図:通常の場合
2014-01-13 23.06.56

金剛力士像とは仏教の守護神で、
全国の社寺に安置されていますが、
「金剛力士像=東大寺南大門」
思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。

しかし、東大寺南大門の金剛力士像は
この法則と逆の位置に置かれています。

図:東大寺南大門の場合
2014-01-13 23.06.06
位置だけでなくポーズも
他の社寺のものと比べて少し風変わり。
日本で最も有名なのに、金剛力士像界では
例外中の例外な作品なのです。

東大寺南大門は、962年に天災によって倒壊し
しばらくそのままでした。
しかし、1180年に
東大寺が焼失してしまったことにより、
重源というお坊さんが中心となって
東大寺を再建することになり、
その際に南大門も一緒に再建されました。

なので、現在私たちが見ている南大門は
オリジナルではなく
1203年に作り直されたものです。

ポーズが風変わりと書きましたが
他のものとどう違うのか言いますと、
何と言えばいいのか、うーん。
なんとなくジョジョ立ちっぽいというか
大げさというか・・・(画像はAmazonより)
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このジョジョ立ちのような大げさポーズは、
中国(宋)の版画「霊山変相図」の中で
描かれている仁王さんのポーズに
そっくりなんです。
しかも、描かれている位置も
東大寺南大門のものと同じ。

つまり、東大寺南大門の金剛力士像は
置かれている位置もポーズも
「霊山変相図」を参考に作成された
中国風のものということになります。

ではなぜ日本の金剛力士像に
中国様式が使われているのか?
という疑問が出てきます。

それは東大寺再建事業の中心となった
お坊さん・重源の影響が大きいと
言われています。

重源は、再建事業以前に修行のため
宋へ渡航した経験があります。
しかも3回も。
そんじょそこらの若者より
海外経験多いやないですか。

そして帰国後に再建事業をするにあたり、
宋で見た「霊山変相図」を模した
金剛力士像の制作を指示したと考えられます。

重源「僕ね、宋行った時に超かっこいい
金剛力士像の絵見たんすよ~。
せっかく東大寺建て直すことですし、
運慶さん快慶さん!そんな感じで
よろしく頼みますわ~!」
といった感じでしょうか。
(完全にokeihanの妄想です
重源はこんなにチャラくありません)
 
 
金剛力士像の代表的作品にもかかわらず
その業界では異端児のような作風の
東大寺南大門・金剛力士像。

東大寺に行く機会があれば、
ぜひ確認してみてください!
注:季節によって拝観時間が異なります。
⇒東大寺・拝観のご案内

拝観料が500円と少々お高いので、
同じ500円を払うなら
このようなトリビアを楽しみながら
見に行きましょう!
 
 
大阪天満宮
住所:大阪府大阪市北区天神橋2-1-8
HP:http://www.tenjinsan.com/index.html

東大寺
住所:奈良県奈良市雑司町406-1
HP:http://www.todaiji.or.jp/index.html

One thought on “金剛力士界の異端児@東大寺南大門

  1. ほほぅ、それは知らなんだ。あと東大寺の運慶快慶の目玉は彫刻だけど、他のはガラス玉が入ってることが多いらしい。なんで玉眼にしなかったのか、と考えるのも一興。

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