あなたの知らないmixiの世界。
mixiがオワコンらしい。
でもmixiは完全には終わらないと思う。この点こそ肝要だ。
それは、ある一定層のユーザーがmixiに定住しているからに他ならない。
この時代にFacebookでもtwitterでもなく、
あえて彼らがmixiを(も)必要とする理由は何なのだろうか。
「オワコン」(死語だよね?)と決めつける前に、
こういうところに注目してみよう。
そうすれば、ある種の人間心理やSNSの内実が垣間見れるだろう。
以下、[主婦と大学生]、[匿名的コミュニティ]に関して見ていきたい。
[主婦と大学生]
mixiを辞めないユーザー層の一つに、30代の主婦が挙げられる。
家事などで家にいることが多い彼女たちはPCユーザである。
スマフォからだとFacebookやtwitterは確かに便利だが、
PCユーザーだと特にmixiと代わり映えしない。
そして何よりも、mixiの最盛期は、彼女たちの人生の節目と重なっている点だ。
数年前からmixi上で日記を書いてきた彼女たちにとって、
mixiは単なるSNSを超えた、自身の結婚や家族の成長記録であり、
大切な思い出が詰まったデジタル・アルバムとして存在している。
また、彼女たちのマイミクもやはり主婦で、
夫に対するグチもmixiのつぶやきで盛り上がっている。
このように主婦のSNS環境は、
世間一般ネタはtwitter、地元ネタや家族ネタはmixiと
内容に応じて使い分けられる傾向があるのだ。
一方、今の大学生にとって、高校時代にやっていたmixiは、
メンヘルorポエム日記や元彼の写真などの、痛い過去の集積である。
それは、大学デビューを憚る「黒歴史」でしかないのだ。
それゆえ、彼らはmixiを「なかったこと」にするのである。
しかしその割に、社会人デビューにおいて、今度はFacebookやtwitterが
最終面接の足かせになることがイマイチわかっていないと思うんだが。。。
面接官「キミ、Facebookとキャラが違うね」
[匿名的コミュニティ]
大学生がmixiをやらない理由は先述した通りだ。
しかし、一部の大学生と社会人にとって、
mixiは欠かせないSNSである。
もし、あなたがAKB48やMNB48の熱烈なファンだったとする。
果たして、
あなたは大島優子のイベント情報に関して、
どこで質問するだろうか?
あなたは近藤里奈の誕生際(ファンが有志で誕生日を祝う企画)に関して、
どのようにして他のファンと連絡し、この計画を遂行するのだろうか?
これらは、mixiのコミュニティを介して行われている。なぜか?
実名でやるには何かと後ろめたいからだ。
そもそも、趣味とはそういうものだと思う。
少なくとも、公的なデジタル名刺と化したSNSでやるものではない。
ただし、2ちゃんねるでは匿名性が強すぎて、
コミュニティとしては機能しない。
いわばmixiは、両者の中間的な位置にある。
つまり「半匿名性」(強制固定ハンドル・ネーム)のSNSなのだ。
趣味性が強く、そして実利的な行動や企画が伴う場合、
有効なコミュニケーション空間となっているのである。
以上より、昨今のmixiがカスなのは、ユーザー数減少や赤字そのものではなく、
SNSとしての自身の立ち位置がわかっていないことに由来する。
だから、無意味なサービスが増えていくのである。
はっきりいって、mixiゲームなどどうでもよいのだ。
そうではなく、mixiを大切なフォトアルバムとして見なすユーザーに対しては、
紙のフォトブックが簡単に作れるサービスを展開するべきだった。
また、趣味的な半匿名的コミュニティとして利用するユーザーに対しては、
このコミュニティ関連の機能強化に力点をおく必要がある。
かつて、mixiが2ちゃんねるを殺せなかったように、
Facabookやtwitterが、mixiから完全に代替できない理由が
こういうところにあると思われる。
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ミクシィ、通期で赤字転落へ mixiゲーム課金不振で売り上げ大幅減
ミクシィが2013年度通期の業績予想を大幅下方修正。売上高は大幅減、利益は赤字に転落する見通しになった。
ミクシィは10月1日、2014年3月期通期の連結業績予想を下方修正し、営業損益が16億円の赤字に転落する見通しだと発表した(前回予想は10億~20億円の黒字、前期実績は25億7400万円の黒字)。
売上高は前回予想の120億~135億円から、40億~55億円減の80億円へと大幅減となる見通し。前期実績(126億3200万円)からも大きく落ち込む。スマートフォン版mixiゲームのリニューアルによる課金売上高の拡大を見込んでいたが、当初計画を下回って推移した。
中国開発拠点の閉鎖などコスト構造の見直しを進めているが、法人化した「ノハナ」やスマートフォン向けネイティブゲームなど新規事業のユーザー拡大に向けた先行投資もあり、営業赤字に転落。経常損益も17億円の赤字(前回予想は10億~20億円の黒字、前期実績は26億2900万円の黒字)となり、業績見通しの下方修正に伴い繰延税金資産の取り崩しを迫られる結果、最終損益は26億円の赤字(同5億~11億円の黒字、16億5400万円の黒字)となる見通し。