コードとメガネとちょっと、ミライ(只今めんてちゅう)。

 

さくらサーバーの転送系に問題があるようなので、写真付きの記事が挙げられるまであと数日かかりそうです(T_T)。ま、文字だけのブログもシンプルでいいかも。せっかくだから普段とは違うことでも書こうかなっと。

一般的に、言語とは人間と人間のあいだを取り持つ道具であるのに対して、プログラミング言語は人間とコンピュータのあいだを取り持つための道具だ。

ただし近年では、これに資本の論理が加わってくる。ビジネスサイドから見れば、現代のプログラミング言語は、その用途から大きく二つに分けることができる。それは「市場を自己組織化させるための言語」と「市場を囲い込むための言語」だ。要するに、その言語のスタンスが相対的に「オープン/クローズ」かということになるだろう。

前者の「市場を自己組織化させる言語」、すなわちオープンな言語は、具体的にはJavaScriptが筆頭に挙げられる。これは周知の通り、インターネットの公用語だ。みんなが好き勝手に使って、勝手に改造しまくっている。そして、これを介して市場がどんどん拡大していく。また、JavaScriptは昔のLISPみたいに、いろんな方言が生まれては消えていく(ここでいう「方言」とはプラグインのことを指す)。勢いはあるけれど、統一感がない。そんな感じ。

後者の「市場を囲い込むための言語」、いわゆるクローズな言語とは、Objective-Cがその代表格だ。これはアップル帝国の事実上の公用語で、これでアンドロイドのアプリは作れない。iPhoneのアプリはObjective-Cでしたためて、さらに年間8400円のみかじめ料を納め、さらにさらにアップルお代官様の検閲を受けないと座が持てない。まあでも、それさえクリアしてしまえば身分や経歴は問われないので、総じてApp Storeはアップル直轄の楽市楽座だと言える。現在でも、プレステのソフトは作れないし、勝手に売れない。

ソニーがVitaの開発環境にObjective-Cを採用しようとしたとき、アップルが激怒したっけ。ソニーが無能なのは、PS4が出るなら、せめてPS2レベルの開発環境ぐらいはオープンにすべきなのに、そうしない点だ。旧世代のハードは素人がゲームを作って配布するデバイスにしてしまえばよかった。ただし、VAIOでしか開発できない。そうしていれば、今回のPC撤退もなかっただろう。そして、早くにマイクロソフトとケンカして、独自OSの開発に重きがおかれたに違いない。

さて、ここで言う「囲い込む」は「消費者やユーザをロックインさせる」という意味だけではない。ハードとソフトが囲い込まれた、いわばアップルの箱庭のなかで、ハードとソフトが一体となった製品戦略が可能となる。またデベロッパーはObjective-Cで、これをフル活用できる。逆に言えば、JavaScriptは増築を重ねた雑居ビルみたいだ。それは不安定だし、開発環境も移ろいやすい。

近未来、果たしてどちら側の体制が有利になるのだろう? その決着のための主戦場は、グーグルグラスなどのハイテクメガネ市場だと思われる。近未来、もし”iGlass”がグーグルグラスの追随で終わるならば、ハイテクメガネ市場の公用語はJavaScriptになるだろう。既存のWebブラウザがメガネで見れます!という程度なら、既存のインターネット公用語の方が有利だからだ。

そうではなく、5年前のガラケー市場を覆したあの破壊的イノベーションがメガネで起こるならば、つまりグーグルグラス的な近未来の既定路線を狂わす「何か」をアップルが仕掛けるのなら、この帝国とその言語はより盤石なものとなるに違いない。

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