カメラと女子と世界のカンケイ@オリンパス編

 

最近、陰気な記事が多いです。今日は休日ですが雪が降ってるので、外も出たくありません。なのでネットでググりながら、妄想でオンナノコの話をします。ぬ、今度は発想自体が陰気だorz

森ガールはどこにいった? そりゃ、森に還りましたよ。仏像ガールは? なむー、奈良の大仏の前におりますがな・・・。近年○○女子や○○ガールの名の下に、おじさんの渋い趣味を無理矢理オンナのライフスタイルに組み込もうという動きがあります。マーケティング屋の入れ知恵なのでしょうか、彼女たちはメディア上でオンナノコの趣味の多様性を称揚します。でも、実際どこにいるんだよ、そんな「○○ガール」。見たことないわー。

結局、現実世界で見かけるのは「カメラ女子」だけなのです。そこで、カメラ女子の生態学をオリンパス編、その他日本メーカー編、世界編と三本仕立てで考察してみようじゃないか。今回はカメラ女子の源流であるオリンパスに注目しよう。

医療器具屋であるオリンパスは、基本理系のメーカーなので、文系的な広告とかマーケティングが下手くそでした。レンズ交換型デジタルカメラの重要な機能の一つに画像素子のゴミとり機能があります。レンズ交換する度に、センサーに塵がはいってしまう。かつてのフィルムなら、巻き上げる度に一枚ずつ新しい受光面になるので、それほど神経質になることはなかった。だけど、デジタルになると受光面に塵が溜まっていくので、これが大問題になったんですね。このゴミ取り機能の如何が、製品のパフォーマンスを規定するボトルネックだったわけです。

最初にこのことに気づき、ソリューションを与えたのがオリンパスでした。ただし、イマイチこの機能の意義を消費者にちゃんと伝えられなかった。現在でも、若者にこれの意味を尋ねても、ダストリダクション?何それって感じで、彼らはぽかーんとしているわけです。嗚呼、カメラ大国にっぽんも長くないな。気軽に持ち出せて、気軽にレンズが交換できる本格的なカメラ。当たり前のようなことだけど、実際、街中でがちゃがちゃレンズ交換しているユーザーを見たことあります? 見ないよ。レンズ交換って、内蔵剥きだしになる瞬間なので、心理的にも嫌なんですよw

2003年、オリンパスのデジタル一眼レフ初号機E-1が登場します。オリンパスの地味で職人気質なところはマニアウケはしたけれど、ヒットしませんでした。ブランドや伝統の安心感っていうんですか、素人にとってカメラと言えば、キャノンかニコンでした。オリンパスは「フィルム時代に一眼レフカメラ市場から撤退したメーカー」という負のイメージがつきまとっていたのかも。まあ、E-1のボディ質感は未だにトップクラスだし、画質もデフォルトでアートフィルター(?)で名機ですよ。

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https://support.olympus.co.jp/jp/support/dlc/archive/e1.pdf

2005年、近未来デザインのE-300が登場します。コニカミノルタα-7Dを買おうと思っていた私は、結局このE-300を買いました。中国製なのに精度の高い作りです。何よりもこのデザインかっちょいい!・・・という私みたいな中二病にはウケたんですが、またしてもコケました。一般論ですが近未来デザインと女子のファッションは、相性が悪いですね。サイバーな感じが、カワイイやエレガントといった女子の琴線に触れないからでしょう。そもそも、服に合わないんで、カメラだけ浮いちゃうんですよ。

近未来デザインを採用した時点で、市場の半分を逃してしまっているのかもしれません。グーグルグラスも、まだまだサイバー過ぎますねえ。破壊的技術を持つ製品ってサイバーなデザインになりがちだけど、そのデザインがすでにキャズムの罠にはまっているんですよね。

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https://support.olympus.co.jp/jp/support/dlc/archive/e300.pdf

ちなみにこの機種、ミノルタのRD3000を連想させますが、同じ開発スタッフらしい。2006年に、ミノルタのカメラ部門はソニーが買い取り、その一部(大部分という噂もあるけれど)はパナソニックやオリンパスに流れたようです。LUMIXのDMC-GX7の開発も元ミノルタのスタッフによります。
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そして同時期の2006年、オリンパスの広告オンチが暴走して、コンセプトが迷走していきます。ヨドバシでE-500のカタログ見たとき、なんじゃこりゃー、って思いました。シェフのおっさんが出てきて★★★とかゆーてます。(°Д°)ハァ? デジカメと料理のイメージが結びつかないんですけど。ってゆーか自分で三ツ星つけないでください。

三ツ星の内容も「800万画素」「小型最軽量」と、ありふれた数値スペックでしかなく、しかも当時のライバルと比較してそんなすごい数値でもない。「小型軽量」だけを言ってもだめで、それを求めるユーザーはコンデジや携帯でいいでんすよ。明らかPRに失敗しています。もう一度言うけれど、この広告なんじゃこりゃーでした。でも、E-500は、E-1と同じコダック社のセンサーなので、今でもヤフオクで隠れた人気機種だったりします。

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https://support.olympus.co.jp/jp/support/dlc/archive/e500.pdf

そして2007年、シェア低迷で撤退寸前だったオリンパスは、宮﨑あおいのE-410で息を吹き返します。小型軽量という機能は、女性のための本格的なデジカメという、より具体的なコンセプトとして再定義されました。モノ自体もホント良く出来ていました。シャッター音がクシャミみたいでかわいい。音もデザインされている。つまりギアなんかの細かいパーツも特注しているんですね。最新のα7のシャッター音なんて、壊れかけのラジオですかって感じです。

筐体デザインは、黒で精悍だけど、角が丸くコロンとしているので、男性的にも女性的にも見える。米谷美久のOM-1にも似ており、そこにオリンパスの伝統やブランド性を見出したカメオタもいた。ええ私のことです。最近のOM-Dのデザインはやり過ぎかも。私物の米谷氏のサイン本だぞ。

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現在、E-410やE-420は、中古屋で二束三文で売られているけれど、数年後には中古価格が高騰してくるんじゃないかなあ。プリズムファインダーやミラーショックがこれからのレトロカメラの条件になるだろうし。下のカタログ、この日常の散歩カメラな感じ、いいよね。ってこれ宮﨑あおいの写真集かよw

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数値スペックしかPRできなかったあのオリンパスが、なんか文学的なことゆーてます。ならねこもこのメッセージを継承していきたいですね。観光に行っても、お城とかお寺とかをベターに撮りがちだけど、街のさりげない息づかいなんかを撮りたいものです。でも、日常的に持ち歩けて、ある程度本格的に撮れる道具は、現在でもなかなか無いですね。

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https://support.olympus.co.jp/jp/support/dlc/archive/e410.pdf

この後、あおい連続コンボPRのお陰で、次世代のマイクロフォーサーズへとスムーズに移行できました。そして、この流れは、他社のミラーレスカメラにも多大な影響を及ぼします。キムタクのニコン以外はw E-30のPRですが、この写真スライド集ええわー。ここまで読んでるなら、おまえ見ろよ。動画よりもぐっとくるのは何なのでしょうか。

「おいちゃん」と「あおいさん」のダブル・イメージ。これがOLのお姉さんの乙女魂をゆさぶるのでしょうか。そういう意味では、LUMIXの綾瀬はるかよりも、あおいちゃん/さんは、巧妙なイメージ・キャラクターを演じていると思います。「ちゃん」と「さん」の矛盾めいた二重性は、アラサーなのにCanCamのモデルだった、蛯原友里(エビちゃん)に通じるものがありますね。

マーケティングのイロハは、世代などのターゲットを絞ることですが、これはその常識から逸脱している。むしろターゲットを曖昧にさせることで、レンジの広い客層をつかむことに成功してしまった。カワイイまま歳をとりたい子共の心理、いつまでも乙女な自分を内に秘めていたい大人の心理が、この矛盾したキャラクター上で交錯しているわけです。まあ、さすがに最近の宮﨑あおいは「おあいさん」一辺倒ですけどね。そろそろバトンタッチの時期かもなー。でも、彼女の代わりになるようなタレント、他にいるかねえ。。。

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