ソニー、PC部門からの事実上の撤退へ。
まあ、こんなこと、ならねこで書かなくてもいーんだけど、そりゃあ、こうなるわなあ、というのが率直な感想です。PC関係者なら誰もがそう思っていたことじゃないかしら。90年代半ばに、ソニーがパソコン作るって聞いたとき、私はとてもわくわくしたものです。シャープのX68000の意思はソニーが継ぐのかなあって本気で思っていたものだから、VAIOの初お披露目で「OSはマイクロソフトです。とっても薄いです」って言われたとき、ああ終わったな、もう私の知ってるソニーじゃないんだなあって。私にとってVAIOは最初から死んでいたw
近年のヨドバシカメラとか、VAIOのコーナーってお通夜状態だったし、隣のAppleコーナーの模範解答を前にしてもなお、何もできなかった。否、やりたくてもできなかったんだろう。他社のOS入れた時点でゲームオーバーだったんだ。まあ手書き入力は良いと思ったけど。しかし、それはソニーならではものではないし。全体としてハードの作り込みも甘かったね。ここでいう「ハード」はプリント基板だけの話じゃない。
例えば、MacBook Airの11インチはカタログスペック上では重めなんです。でも実際にこれを手に持ったとき、すごくバランスがよい。「バランスがよい」っていうとすごく感覚的だけど「接合部の少ないアルミ製だからちゃんと握ってもベコベコしない」「重さがボディで均一」なところが、一枚の板を持ってる感じでとても気持ちいい。重く感じない。他のPCだと重さ以前に持ち方とか、いろいろ気をつかうところが多い。Appleはそういうところも「真のスペック」として作っている。(褒めすぎですw iPad Airは死ぬほど持ちにくいし)
VAIOにはそういうこだわりがホントになかった。ほれほれ女子のためにピンク色を用意しましたよ、でも電源アダプタは真っ黒です…とかね。コレが女子の部屋に、でっかいゴキブリのように転がっているところが想像できないわけです。
VAIO Pシリーズも持続的イノベーションを積み重ねていれば、完成度の高い製品に化けたと思う。「持続的イノベーション」は「大企業なら出来て当然の技術革新」というニュアンスを持ち、企業活動として自明なタスクを指すがゆえに、この言葉は否定的に使われる事が多いけれど、VAIOはこの「イロハ」すら出来ていなかったんじゃないか。
80年代、ソニーといえばウォークマンだったけれど、よくよく考えれば、ウォークマンのモノ作りって結構テキトーで、毎年新モデルがスニーカーのように出て、その場しのぎ的なギミックでやりくりしていたなあ。VAIOもそのノリを継承してしまったんだろう。でも、今は金が余ってるバブルじゃないし、そもそもPCは長く使う家電だし。勘違いもはなはだしいっつーの。
しかし、ソニーはプレステというOSを持っているわけで、あれはリビングだけでなく、オフィスにあってもいいはず。デジカメやお風呂のOSがプレステOSでいけない理由があるだろうか。あのプラットフォームは、まだまだ可能性があると思うケド。。。下の記事で、スマホ事業に力を入れるってあるけど、だーかーらーOSは自社製じゃないと3年後同じ悪夢を見ますよ?
————————————-
ソニー、投資ファンドにパソコン事業売却へ
2014/2/5 2:14日本経済新聞 電子版
ソニーはパソコン事業を投資ファンドの日本産業パートナーズ(東京・千代田)に売却する方向で最終調整に入った。タブレット(多機能携帯端末)の急速な普及で、ソニーのパソコン事業は営業赤字に陥っている。スマートフォン(スマホ)を成長の柱に位置付ける戦略を鮮明にして、不振のエレクトロニクス事業を立て直す。