GPSと空間意味論
王寺町でやっていた、米川氏の講演を聴きにいった。
彼は、工学系の大学を出て、実際にGPS関連の特許をとっている。
なので、GPSを搭載したラジコンヘリとか、
楽しそうな話を楽しそうに話してくれたのだが、
そのヘリの社会的な意義の話になると、真顔で
「森林の伐採状況の上空観察による地球環境の・・・」
うそつけ、とw
「いやー趣味かねて創ってみたかったんだよねー」でいいのだ。
技術屋にソーシャルなものとか意味論的なものは期待していない。
しかし、GPSが連動したSNSのあり方は、すでに次のステージに入っている。
スマホの地図は、単に客観情報を述べるに過ぎない。
それは、空間の統語論、スペース・シンタックスに相当するだろう。
例えば「フランツカフカはならまちの毘沙門町にあって、カレーの価格は・・・」
といったものだ。
いまや、私たちが求める空間情報はそれ以上のものだ。
「フランツカフカのカレーは激辛で死ねる」
「いや、でもおいしかったけど・・・」
「初めてのひとはチキンライスの方がおすすめ」
空間情報の統語論が整ったあと、関心の的となるのは意味論の方だ。
しかるに意味論を組み込んだデータベースは不可避的にSNSとなるだろう。
事実、すでにGPS連動型SNSは複数存在している。
だが、それらは空間情報アプリではなく、出会い系アプリとなっている!
なぜか?この解答は古典的な工学系の範疇からは得られない。
ただし、解の模索それ自体が、工学的なマーケティングの実践となるだろう。