阿倍文殊院、渡海文殊像のなぞ。
okeihanが安倍晴明は大阪阿倍野の人だといったけれど、
奈良県桜井市にある阿部文殊院にも縁があるようです。
彼は日本史のトリックスター的扱いなので、
どこ出身か?なんて、まあ、なんでもアリなんですけどねw
ただし、この寺の目玉は、このオカルト・イケメン悪霊退散野郎ではなくて、
文殊五尊像です。今年、国宝に指定されました。
実際に見ると、すげえ、でかいです。
ただし、後で調べてみると、最初からこのセットではなかったようで、
時代がバラバラです。
そこで、私は次のような疑問に苛まれ、眠れぬ夜を過ごしております(怨)。
疑問1
獅子の手綱を引くおっさん(うてんおう)は鎌倉時代の作、そして獅子は桃山時代の作です。
ということは、鎌倉期にも獅子は存在したのか?
疑問2
チビ(善財童子)は、どこを見てんねん。正面を見ているが菩薩の方を見るのが正しいのでは?
疑問3
獅子はチビを見ているが、本当はおっさん見る方が正しいのでは?
例えば京都、醍醐寺にある鎌倉期の絹本著色文殊渡海図ではこんな配置です。
それと動きのある獅子とチビに対して、三蔵と老人が直立不動で、
作品全体としてアンバランスな気がします。
でも、この配置の方が、見る者になんかストーリーを喚起させるような・・・
獅子「おめえ、前をウロチョロするなだぼっ! くっちまうだぼっ!」
チビ「う、うへええええっ(汗)」
おっさん「こら、菩薩様の前で何をいうかっ!(ぐいっ)」
三蔵「Zzzzz…」
・・・みたいな。
で、その前でふつーに坊さんがお経唱えてますw
周りには、ほんと何もありゃしません。
JR桜井駅前も絵に描いたようなシャッター街です。
誰もいない昼下がりのアーケード。
ゴォン、カラコロロン、ゴォン、カラコロロン。
なぜかボーリング場だけは生きているようです。
私見ですが、まあ、これも奈良の廃墟美でしょう。
ゴォン、カラコロロン、ゴォン、カラコロロン。
様々な時代の栄華の残香をめぐる、桜井散策も悪くないですぞ。