続・年の瀬に赤い悪魔がほくそ笑む。
マリオランが配信されたけれど、
任天堂株は小ジャンプすらなく、目下暴落中。
その一方、日経平均は異様な高値を維持したままだ。
どうやら政府の意向を受けて年金機構が買い上げているらしい。
今年の正月早々、日経は大暴落から始まったにもかかわらず、
二万円代にすることが至上命題となっているようだ。
また、虚ろな目をした熟女のヌードまみれの週刊誌はこれを煽り、
読者たちの紫色の欲望をまさぐろうとする。
いまや日経平均は、日本の景気を反映した指標ではない。
好景気を「演出」するためのショーウィンドーだ。
年金を使い、バブル崩壊寸前の日経平均を買い上げる政府は、
無責任というよりも、ある種の破滅願望の体現だといえる。
WW2のときのように。
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クリスマスの大阪梅田界隈は、それなりに活気があった。
とはいえ、街中に流れるクリスマスソングは、どれも使い古されたものばかりだった。
あたらしい価値を生み出せないまま、
差異なき過去が安直に反復されていくマーケティング・スフィア。
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形骸化した消費空間の中心、
阪急梅田のショーウィンドーのなかで、サンタたちは宴に興じている。
ミラーレスのファインダー覗きピントを合わせると、一人のサンタと目が合った。
カメラのホワイトバランスが狂っていたのだろう、
紫色の肌で意味深にほくそ笑んでいた彼は、まるで悪魔サタンのようだった。
思わずファインダーから目を離し、肉眼でショーウィンドーを凝視するが、
すでにサタンはいなかった。
せわしない雑踏といつぞやのクリスマスソングが、
軋んだ歯車を回していく。