ラスアス脳。
二日連続の徹夜にて、やっとPS3『ラストオブアス』(以下ラスアス)をクリアしたー。はあ、つかれた。良作だったので北米版やろうかなー。ストーリーだけを追いたい人は、りっく氏の実況がオススメ。
ストーリーの感想としては、なぜかナボコフの小説『ロリータ』を連想してしまった。
そう言えば、レムの傑作SF小説『ソラリス』もレム自身が「あれはSFぢゃなくて『ロリータ』なんだよ」みたいなこと言ってたっけなー。
彼らのラストは『インセプション』のような、ハッピーエンド?ダークエンド?、と意見が分かれる感じで幕を閉じる。
まー、とにかくアメリカの良質なテレビドラマ見ているようなストーリーで楽しめました。
これさあ、もし日本人がシナリオ書いたら、冒頭のホモのおっさんとか主人公の弟が、主人公達のラストの危機一髪に「またせたなー」とか決めゼリフほざきながらバズーカー打ち込んでくると思うんだw そーゆー日本的物語のお約束、ぜんぶ殺してきますw だからハラハラするんだな。
日本のゲームは、バイオハザード以降、ハリウッドのシナリオのパロディに終始している。「あの映画のオマージュです、リスペクトしてるっす」的な甘えがあると思う。他方、このゲームはテレビドラマ的だ。そもそもゲームのシナリオは、映画よりもドラマの方が向いていると思う。
ちょっとだけネタばれ感想文。結局、エリーは「ロリータ」を演じることにした。それはジョエルにとっても、惑星「ソラリス」を脱出せずに、過去の幻影と共に生きるかのようだ。その甘美なダークエンド(と私は思った)は「インセプション」の意味深なラストシーンに通ずるものがある。
で、それであかんのか? キリン、幸せそうだったじゃん。それを見てたおまえらも幸せだったじゃん。それ以上のリアルってある? 人生なんてそんなもんだし、仮に少女にセカイの運命がかかっていたとしてもそんなん知るか、ボケ。
そもそも、ファイヤーフライは反政府組織なので、エリーの生態サンプルから政府転覆のための生物兵器を開発しようとしたかもしれない。いや、絶対企んでただろ。ジョエルはそこも感づいていたと思う。
・・・そこまで考えるなら、この物語、やっぱりハッピーエンドなのかもしれない。
ゲーム内の世界では、人類が危機い瀕しているが、自然はむしろ生き生きとしている。よかったねキリン。さよなら、人類! リアルのフクシマなんか、人間社会だけでなく自然もぜんぶおわちゃったんだぜ。ラスアスより終わってるやないか。
『ラスアス』はコミック版『ナウシカ』的セカイ観にも通じているのかなー、と思ったり。人類とかいうサルがどうなろうが知ったこっちゃ、ない。
キリンの写真はないので、オリジナルのシカの写真を添えて。