日本視覚産業衰退論。
そうそう、昨日、PENTAX K-1をHDMIを介してソニーの5インチの外部モニターにつながるかなー?と試したところ(店頭で)、普通につながりました。まあ、そんなことする人いないと思うけれど、参考までに。
でね、最近カメラ関係の道具を買ったり、買おうとしたりして、思うんだが、ほんとにもー日本製がないのねえ。しかも、日本の企業ですらないわけ。韓国メーカーVARAVONのカメラケージを買ったんだが、届いた現物の質感がかなりいい。一昔前なら考えられない。むしろ逆に、こういう製品を大阪の町工場は作れるのだろうか、と心配になる。私はこの韓国製ケージで貧弱なソニーのカメラボディを包む予定だ。
三脚にしたって、日本のVELBONなんか買わないでしょう? みんなイタリアンデザインの中国製Manfrottoを買うわけです。そういう下請け事業でノウハウや実力をつけた中国企業が独自ブランドを出し始めている。BENROなんかその典型例ですね。
アメリカのハリウッド映画の製作現場では、カメラ本体はソニーが中心だが、映像記録はATMOSの製品を使用するのが慣例だ。分かりやすく言えば「ハンディカムを買うがそれで録画しない」というかなりヘンな使い方しているw ソニーの録画機能の貧しさを海外ベンチャーに突かれてしまった形だ。
さらに、斬新なアイデアで市場を開拓しているのは台湾企業DJIだ。ドローンの姿勢制御技術を応用し、片手持ちブラシレスジンバルOSMOを世に出した。広告以上にOSMOは革命的だ。日本メーカーの動画時の手ぶれ補正競争はメクソハナクソになってしまったのだから。またプロ用ブラシレスジンバルRONINは、ハリウッドでアクションシーン撮影に欠かせない定番機材となっている。
総じて、日本メーカーはダメダメだ。その背景をまとめると次の三つが挙げられる。
金属加工の精度(ベタなモノづくり)
直感的なUI設計(ソフトウェア面)
ローテクを大胆なアイデアで活用(創造性)
そして、この三つは有機的に関連し合っている。イノベーションって、どれを欠いても成立しないと思う。寂れた日本の町工場。プログラミングが科目にない教育環境。センターやらSPIやらTOEICが「勉強」だと思っている受験バカ社員。時代遅れの上司にゴマすることが「コミュ力」だと思っているコネ野郎。こんな奴らばかりの組織じゃ、そりゃこうなるわな。その権化であるテレビ局のドラマとか末期的でしょ。そんな製作現場から、新しいカメラ開発のヒントなんか、産まれっこないし。
ソニーなんか、今でこそCMOSセンサー独占でメンツを保っているけれど、将来アジア企業が追いつき始めたら・・・それこそ液晶事業の二の舞になるんじゃないかと思うな。