鉄道写真と野鳥写真、そのメイキングとしてのジャーナリズム。

 

野鳥を撮る人の忍耐力はすごい。鳥のアップの写真なんかをよくみるけど、あれを一枚撮るのに何時間、いや何日もかかっているわけです。ヒルだらけの森のなか、でっかいカメラを三脚に据え付けて、じーーーーーーーーーと、待つ。

それゆえ鳥を撮る人は、必然的に下手な学者先生よりもその森に詳しい。また森の微妙な変化にも敏感だ。鳥中心とはいえ、それをとりまく生態系の繊細さを肌で知っている人たちである。本だけのインテリ・エコロジーとは違う地べたのエコ思想がここにある。

鉄道を撮る人の行動力もすごい。廃線間近のローカル線を撮るために、彼らは地方の僻地にまで足を運ぶ。しかも漫然と列車を待つだけではない。一時間に一本あるかないかのダイヤと夕日の位置にも配慮したりする。

鉄道写真家にも二つのタイプがあり、実際に列車に乗って移動するタイプと自家用車を利用して効率よく回るタイプがある。前者は、その路線や駅周辺の街の事情を目の当たりにするので、地方の惨状について下手な記者よりも通じている。

野鳥であれ、鉄道であれ、その一枚の写真を撮るまでの過程や周辺の景色を収めたメイキング動画のほうが重要だと思う。それは先の理由により、ひとつのドキュメンタリーや報道としての価値があるからだ。

みんな写真だけ撮って満足しちゃうんだよねー。

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