続・ツバメの巣よもやま@奈良。
奈良のツバメの巣だけど、ツバメは巣を作るとき、どういう条件でその候補地を見つけるのだろうか? 一般的には、
・雨風を凌ぐことができる屋根がある
・人通りが多い
・・・などが代表的な条件だろう。しかし、単純に「人通りが多い」だけではダメだ。巣の下を行き交う人々が、ちゃんとツバメに気がついて「やあ」とか声をかけることも重要なのではないか。「そんなバカな」と思うかも知れない。けれども、実際にツバメのヒナはそういう環境の中で生まれ育ち、そして彼らが親になったとき、ヒトのかけ声がありそうな場所で子育てをしたいと考えることは自然なことだ。
もちいどの商店街路地裏
実際、ヒトの声や気配がない場所は天敵が多くなりリスキーだ。ツバメの鳴き声は抑揚があって、人間の子供のはしゃぎ声に近いものがある。聞いていて特段美しくは無いけど、気持ちが和む。仲間通しだけでなく、こちらに向けても何か歌っているようにも聞こえる。
小西さくら通り商店街
巣作りの場所に関してもう一つ、観察していて気付いたのが「夜も明るい場所」という条件である。例えば、中世の人間社会の営みを考えた場合、「夜も松明や提灯で明るい」というのは、ツバメが盛り場を見出すときの目安になったと思う。夜行性の猫などに襲われる可能性があるので、夕刻も明るくてヒトの気配が絶えない方が良い。なのでツバメは、ハトやカラスに比べて夜更かしだ。また「そんなところで、眼がまぶしくないのか」と思うような場所に巣があるが、むしろ逆でツバメは明るい場所で安眠できるのだろう。
ひがしむききた商店街
さらに、ランプの近くに巣を作ると、夜に冷え込むような場合でも暖かいというメリットがある。奈良ではひがしむき商店街のマクドナルドが24時間営業だった頃はツバメの巣が何個もあったけれど、夜が閉店になった今年では巣は一つしかなかった。その代わりにもちいどの商店街正面のサークルKがツバメの集合住宅と化している。
ひがしむき商店街