MOON ROOM その4。

 

ちょっと、ほんまなー、おまえら、これ奈良のブログやぞボケとか思いつつ、私も何も書いてないなーと反省しチャリンコで死の花粉をかいくぐり、午前は東大寺まで行ってきたわけよ。

観光客(ほとんど中国人だけど)は、シカと大仏を撮って満足しているんですが、ほんとうは力士像とか毘沙門天のほうが歴史的価値があるぜーみたいな内容を書いて、そこに私の超絶ハイセンスなフォトグラフィーを添えてやろうと思っていました。カメラにSDカードが入ってないことに気付くまでは・・・。東大寺で屋台のSDカード屋をやったらもうかると思います。

失意のなか帰途につき、商店街の本屋によりました。街の本屋のくせにやたら宗教関係の本が充実しているヘンな本屋で、一応おまけのように歴史コーナーもあります。そこでオリバー・ストーンのアメリカ史を立ち読みしました。これです↓

Unknown

著者は、ケネディ暗殺の映画を撮った人ですね。アメリカでは陰謀論が確立したジャンルになっています。JFK暗殺の背景が未だによくわからないように、権力サイドは都合の悪いことを隠す。古今東西あたりまえですね。だからconspiracy theoryで隠されたピースを埋ないといけない。ってゆーか、オリジナルの仮説を立ててそれを論証しようとすれば多かれ少なかれ陰謀論になるわけですが、しかしなぜか日本では陰謀論者はキチガイ扱いされますね。まあ、コピペで大学の卒論や博士論文が書ける国だし、自身の失言に遺憾の意を表明する「ゆるウヨ」でも総理大臣になれる国なので、さもありなんですが。

で、ここからが本題。この本、「もうひとつ」とか言ってるわりには、ふつーやん、と思いました。その最たるものが、アポロ計画に関する章がないわけです。NASAって宇宙とかいってるけど実質ペンタゴンそのもので、本当に月に行ったかどうかは別として、少なくともアポロ計画は泥沼化するベトナム戦争への批判をかわす打ち上げ花火だったことは確かです。そうであるがゆえに、ミッション失敗など最初から存在しない計画なんですよ。だから、手段は選びませんね。

「われわれ人類の・・・」とかいいながら、ちゃっかり星条旗を月面に突き刺すところとか、なんかいやらしいでしょう? 眉間にしわを寄せて反戦デモに参加していたアメリカ人は「英雄」の祝賀パレードで大はしゃぎです。ところで、どうしてソ連は対抗して月に行かなかったのか。無人機でも月の石を持って帰れるわけですから、月面に国旗をたてることはできたんです。でも、ソ連はそうしなかった。一般的な見解では「ソ連はSpace Raceにおいてアメリカに逆転負けした」ということになっています。

私はそうは思いません。実際の歴史をひもとけば、アポロ計画遂行中に、アメリカとソ連は核拡散防止条約を締結し、核を独占する二大国による世界統治を実現します。その後、アポロ計画は途中で強制終了になり、いがみ合っていたはずの両国は、いきなり協同で宇宙ステーション開発に乗り出します。冷静に当時の両国のテクノロジーを比較すると、アメリカのアポロ計画は、同時期のソ連のルナ計画と酷似しています(有人であることを除けば)。アメリカとソ連は、仲の悪いフリをしながら、核と宇宙関連の技術をシェアして世界のガバナンスを企てていたというべきでしょう。

すなわち、冷戦とはプロレスであると言いたい。オリバー・ストーンがふつーやんと思ったもう一つの点がこれです。冷戦をプロレスでなくマジの対決として展開しているところがまだまだケツが青いのう、と思ったのぢゃ。そもそも「冷戦」って、キューブリックの「ストレンジラブ」とか、元ネタ一緒の「未知への飛行」で最初にネタにされたわけです。つまり、冷戦のイメージは、娯楽映画から生み出された物語設定であり、そんなのを真に受けるほうがどうかしているわけですよっと。

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