人口減少社会と土地神話@ならねこ・すくーる。
国の人口が減ると具体的にどうなる?
いろいろな問題があるんだけれど、もうすでに起こっているのが「不動産」価値の下落です。下落どころか、今後は蒸発することもあると思う。金塊だと思っていたものが、ふっと、泥団子になる。某アニメのあの感じ。
例えば、↓の資料なんかでもさり気に触れられているね。しかし、この人達はごちゃごちゃした屁理屈で誤魔化しているけれど、猛烈な勢いで人口が減っている現実を前にその認識は甘いと思うんだよなあ。(まあ所詮、証券屋の雑誌だし本当のことは言わないかw)
ARES 不動産証券化ジャーナル vol.12
http://www.ares.or.jp/works/pdf/ares_12-p6-17.pdf
データ面で個人的に大事だと思ったところを引用しておこう。
- 2011年末現在の日本の国富→2996兆円
- そのうち土地の価値→1157兆円 全体の4割をしめる!
- ちなみに1989年の土地の価値は2137兆円。
- すでに1000兆円吹き飛んでいる!
- 銀行の要も不動産。土地神話に基づいた不動産担保融資。
人口が減るってことは、土地が余るわけです。もっと極端な話、村ごと消えていくわけですね。それは私たちの故郷が無くなるとか、そーゆー感傷的な話ではなくて、そこの不動産価値が限りなくゼロになるわけです。自然のものになっちゃうんです。みんな不動産がゼロになることなんか無いと思ってる。いや、でもなるんですよ。土地神話は、所詮人口が増加傾向にあることを前提にして成り立つものです。
困るのは不動産オーナーだけじゃない。そういうのを担保にして成立している銀行屋が困ります。また政府も固定資産税がとれなくなって、税収が激減する。日本の資産=豊かさって結局のところ土地なんですよね。でも、それが暴落して忽然と消える。どうなんでしょうね、日本が特殊だとまでは言わないですけど、少なくともアメリカ人や中国人は不動産に重きをおかないですね。
王様が裸だなんて、そんな怖いこと、誰も言わない。言ったら最後、自分の信じていた前提ごと、すべてが吹き飛ぶから。そして、唐突に人口減を穴埋めするために移民政策とか言いだすw まあ、それすら焼け石に水ですよ。
わざわざ自分の資産価値が下がることなんて誰も言わない。そして現実から目を背ける。でも、それはスラム化していく土地に、割高な税金を納めているだけです。人口が減る、国富が減る、インフラが維持できない。ある日、鉄道の赤字路線が整理されて廃駅になる。その街は陸の孤島となり、一気に不動産価値が暴落する。こういうことが地方のいたるところで発生するわけです。老人ばかりになった東京都内の路線も維持できないと言われている。
91年のバブル崩壊で1000兆円が吹き飛んだように、今度は人口減由来の日本の土地神話それ自体の崩壊が始まる。私たちは土地に異常な価値を見出す国民性なんですよ。そういうのが普通だと思わない方がいい。人口減少社会において不動産は、明らかにリスクプレミアムです。え?結婚したんでマンションをローンで買う?あんた本気で言っているんですか?こーゆーこと、ちゃんと学校で教えるべきだと思うんですよね。。。