『おしゃべりな細胞たち』を読む。

 

私もtanatanaのオホホ記事に便乗して、渦中の人物の一人、大和雅之氏の『おしゃべりな細胞たち』を読んでディスってやろう・・・と思ったんだけれど、この本、普通に面白かったです。

けっこうホンネの対談なので再生医療の“聖と俗”みたいなものが透けて見えてくる。例えば、「再生医療」なんていうと山中教授のキリっときめたw絵に描いたような高尚なサイエンスとか、あるいは人工心臓ドキンドキンみたいなSFじみた発想をしがちだけれど、再生医療の現実的なラインとしては、レディースクリニックだったりします。細胞を再生して、顔のほうれい線やシワを目立たなくできるらしい。すでにアメリカではバンバンやってるっぽい。でも日本は厚生省がおつむがかたい模様。

ES細胞は卵子から作るのは知ってたけれど、そもそも人間の卵子をどこから調達してくるのか? そんなこと考えたことなかった。どうも不妊治療の夫婦から、かっさらってくるらしい・・・うーんあやしー流通ルートだなあ。そりゃあ、卵子いらないiPSが注目されるわけだ。さらに、キリスト教の世界では、人間の卵子いじくるのは神への冒涜です。超タブーなんですね。たぶん、キリストだけじゃなくてイスラムでもそうだろう。

ここからはこの本を読んだ上での推測だけど、海外の研究所って国の税金じゃなくて、寄付だったりするわけです。その主要なスポンサーの一つに教会もあると思う。しかしES細胞なんか使ってたら、寄付があつまんない。大和氏曰く、日本の研究所も国に甘えるンじゃなくてちゃんとマーケティングして、国の補助金に頼らない資金調達の仕組みが大事だと言っていた。

この辺りの背景が、この本のインタビューから1年半後のSTAP疑獄につながってくるんだろう。。。STAP細胞ってさ実はES細胞なんだよ、って他の科学者にバレていてもよかったのかも。イメージ的にも集金的にも都合が悪いんでとりあえず名前を変えて売ってよ、ってゆー国際的ニーズに理研は答えようとしたのかも。小保方のキャラとかセルシードのインサイダーも、国家にたよらない科学の資本主義を実践しようとしたんだろうなあ。

でも、そんなのiPS派や敬虔なクリスチャンが黙ってるわけ、ないよね。

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