精読『ファイト・クラブ』その7。

 

あれ、画像アップできないや、メンテ中? なにこれ。morimachiさん、ならねこ止めちゃうの?

まあいいや、ファイトクラブに出てくるステロイドの話をしてたと思うんだけど、あれの続き。ステロイドの名前がそれぞれ微妙に違うんだよね。しかし、それは単なる誤字ではない。意図的にそうしているんだ。

実在する”Dianabol”は、小説でも登場する。たぶんボディビルダーの定番の薬物のようで、知ってる人は知ってる商標なんだろう。しかし、小説版では実在する ”Winstrol”は、”Winstrol”に変更される。なんでかっていうと、小説では「競走馬用のステロイド」という架空の商品だからですw そもそも同じ名前であってはいけない。しかし馬のステロイドって、、、そんなんあるのw

映画版ではさらなる変更がある。小説でも変更されなかった”Dianabol”が映画では”Diabonal”になっている。この微妙な差には、物語の文脈がかなりグレーなところにあるからだ。なぜかというと、小説では、ボブが体調の変化をステロイドのせいだと思っいこみ精巣ガンの早期発見が遅れた、という感じのことが書かれている(邦訳22㌻にある。ものすごく分かりにくいけれど)。しかし、映画では、ステロイド乱用がガンに直結したニュアンスになってしまっている。これは、ちょっとマズイ。だから名前を変えたんじゃないか。

小説の架空の競走馬用ステロイド”Wistrol”が映画では”Wisterol”とさらなる変更が施される。これは綴りとしての差異だけでなく、発音しても明らかに違うものとして聞こえるように配慮したものだろう。ね、映画『ファイト・クラブ』は結構、優等生なところあるでしょ。

ステロイドの商品名
  実在する商品名   小説版での商品名   シネマでの商品名
    Dianabol     Dianabol(同じ)     Diabonal
  Winstrol     Wistrol     Wisterol

 

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