夢の跡とゆる寺、般若寺もぉ?
前回の非人考でも述べたように、
北山十八間戸の北西には、
奈良少年刑務所がある。
ここの西隣には鴻池陸上競技場、
さらにその隣に奈良ドリームランドがある。
現在、この閉園した遊園地は夢の跡となり、
古墳のように立ち入り禁止となっている。
まるでバブル遺跡の聖なる場であるかのように。
写真はググればいろいろ出てくる。
外人グッジョブ b
「奈良ドリームランド
:廃墟ローラーコースター」より
http://www.totorotimes.jp/haikyo/nara-dorimurando-haikyo-rorakosuta/
ちなみに日本人がやると手討ちがありますw
例えば『ワンダーJAPAN』vol.8は
発禁処分になりました。
私物を、ちょっとだけよん。
深読みすると、vol.8の奈良特集には天理市を
カルトっぽくとりあげている記事もあり、
絶版の真相はそっちじゃないかなあ、と。
ハレとケガレ、
現世と既往にゆめうつつ。
これらが入り交じるこの丘陵に
例の般若寺という、これまた珍妙な寺がある。
北山十八間戸の北に位置しており、
中世ではハンセン病の特殊医療機関だった。
自説だけれども、まあ間違いないだろう。
500円の拝観料を払って境内に入るも、
なぜか顔の部分がくりぬかれて、そこに
顔出して写真撮るアレが置いてある。
病・ん・で・る・わ・あw
読経や鐘の音ではなく、向かいの牧場から、
モーモーモーモーうっさい。なんやこの寺は!
寺の正確な出自も不明。
なんかモー、すべてがテキトーなわけ。
でも、そのゆるさが幸いして、
明治政府にも無視されてしまったw
もっとも、奈良少年刑務所は、
般若寺の寺社領だったものを
明治政府が召し上げて建てたものだ。
ノーダメージだったわけではない。
ただ、廃仏毀釈が吹き荒れた奈良の寺にあって、
この僻地の古寺が、徹底した弾圧対象に
なることはなかった。
その結果、ここにはレアな社が現存している。
つまり・・・
・・・だそうです(^^;)
一言でいうと、
中世以降、本来別々の宗教だったはずの、
神と仏が合体していたのだった。
このいわゆる「神仏習合」の痕跡が
そのまま残っているのである。
明治に入ると、神と仏は再び切り離されて、
仏教は弾圧される。神仏習合なんて認めない。
でも、やっぱ無理あるなあ、って感じで
神と仏の関係は現在に至っている。
だから、般若寺の神=仏を祀るこの鎮守社は、
地味だけど、かなり貴重な歴史資料だ。
よって、神仏習合の研究は、
日本史で遅れている領域なので、
日本宗教史マニアは、般若寺いくべし。
他方、日本バブル遺産マニアは、
奈良ドリームランドへ。
ただし、パパとママが豚になって、
さらに名前とられて風呂屋で
働くハメになっても責任はとりません!