妖怪=リスクの擬人化。
川には河童、山には天狗。
昔の人は、危険な場所のことを妖怪に準えて子供に教えていた。川や山は、村人の生活圏のキワであり、日常のセカイの終わりだった。だから川や山はあの世とこの世の境界でもある。
かつて、そのような非日常的な場所で、あちら側のセカイの妖怪が顔を出すことはあり得る話で、しかるにそこでの油断が命取りになることは現代以上に意識されていたことだろう。
現代の日本の里山には、俗世の残骸、ゆるキャラと萌えビッチだけがゾンビのように蠢いている。いとすさまじきことかな。