B2B化する市場社会に抗え!(評論っぽい)。
「不況になる」「国がダメになる」ときの兆候として、B2C、すなわち消費者市場が荒んでいくことが挙げられる。大企業にとって、最終消費者を相手にビジネスをするよりも、巨大インフラ事業や他企業へのデバイス提供といったB2Bの方が利益が大きいからだ。だから不況になると、優良企業は金にならないB2C市場を軽視し、よりいっそうB2Bに注力する傾向がある。
具体的な事例は、90年代のアメリカが身をもって教えてくれた。当時、アメリカを代表する製品は、皮肉にも戦闘機や戦車しかなかったのだ。あらゆるモノ作りはもっぱら海の向こう側で行われ、アメリカ企業は製造に関するきめ細やかなノウハウの蓄積、ちょっとしたアイデアの製品への反映ができなくなってしまっていた。ハリウッド映画も80年代のヒット作の続編ばかりになり、本当の意味での新規性や独創性が失われていたのである。B2B偏重のアメリカ社会に、底なしの文化的空洞が口を開いていた。
その穴を埋め合わせたのが、TOYOTA、Nintendo、SONY、YAMAHAなどの日本の製品群だった。90年代のアメリカ文化はかなりジャパナイズされていたと言える。もっとも、当時の日本も「失われた10年」の途上にあり、80年代ほどの勢いはなかった。しかしアメリカにとって、そのような日本ですら「まだマシ」だったのである。80年代の日本の文化水準からみれば微妙な存在でしかないピカチューやセーラームーンがアメリカでは「クール」な存在になってしまった(当時の日本は「日本のサブカル」を逆輸入して弄んでいた)。それだけ90年代アメリカが文化的に荒廃していたのである。
で、ここまで書いてめんどくさくなったので、辞めます。ようするに「90年代のアメリカの病理が今の日本そのものなんぞ」と言いたかった。でも2000年以降のアメリカはインターネットで息を吹き返すけど、もう日本は時代遅れのオリピックと第二のフクシマで死ぬんだろうなー、と。次回、もうちょっとくだけた表現で書き直します。