Tokyo_Gray@SHINJYUKU.
東京は老いた。
街並はもう、キラキラもギラギラもしていない。
灰色のモヤがかかって、どこもかしこもくすんでいた。
お金が無いので、新宿のカプセルホテルに泊まる。
いつもはしないくせに、両手を腹の上で組んで目を閉じる。
なぜかライブドアの野口氏のニュースが思い浮かぶ。
そして、今までに見た映画の棺桶のシーンのことを考える。
眠れない。
向こう側にいる男の豚のようなイビキに気が狂いそうになる。
彼の部屋に包丁を持った男が押し入るシーンを想像する。
そのシーンの何週目かに意識を失う。
———-
AM 5:30 寒さで目が覚める。
包丁でメッタ刺しにされたはずの男は未だにイビキをかいていた。
朝食を求め、街に出てみる。
誰もいない灰色の新宿駅は、錆びた歯車そのものだと思った。
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