『ローマ環状線、めぐりゆく人生たち』とJR大阪環状線。
うーん・・・この映画、
アタリかハズレか、と聞かれれば、
ある意味でハズレです。
内容を一言で表現するならば、
フォトジェニックな世紀末といったところか。
豪華客船を近代に見立てたゴダールの悪ノリは論外として、
とりあえず『ローマ環状線』は、蝕まれゆく近代を甘美に描く。
映像的にはオシャレ映画です。
しかし、その内容は絶望的な人間模様でしかなく、
そこには救いが全くないんだなあ。。。
絶望を笑い飛ばせる無邪気さとか、
上手く機転を利かして成り上がっていく知性とか、
そういうのは出てこない。
「ゴミみたいな人生だよ」
って、ニューハーフのおばちゃん(おじちゃん?)の捨て台詞。
その後、唐突に子守歌唄うけれど、
それは近代のレクイエムにしか聞こえない。
とにかく若さがないんですよ。
これも意図的にそういう演出になっている。
マイナーな映画好きな人って、
ほんわか、ゆるゆるした雰囲気の映画とか好きでしょう?
『ローマ環状線』にそーゆーの、ないから(^^;)
陰惨な街並みがフォトジェニックに流れていく。
それだけ。
救いが無い。
私は大阪環状線に毎日乗っているんだが、
JR大阪環状線から見える大阪のスラムなんて、
フォトジェニックじゃ無い分、もっと悲惨じゃねーか。
未来のない、蝕まれていくだけの街並みなんて、
日常を流れる車窓だけでお腹いっぱいです。
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