戸田奈津子問題はなぜ起こったか?
彼女が週刊誌で叩かれたのって、2002年ぐらいからだったと思う。ただそれ以前からも、色々とやらかしていた人なのに、なぜこの頃から叩かれだしたのか?
それは、PS2の普及もあってメディアがVHSからDVDにシフトしたこと(英語字幕を見ることができる)、さらにその後レンタルもDVDになったからだ。そして、字幕の誤訳をインターネットでシェアできるようになったことも重要な点だ。(ってゆーか、字幕なんて、素人がみんなで作った方が楽しいかも)
『ロード・オブ・ザ・リング』で戸田字幕の問題が表面化したが、この作品が好きな人ってITに通じているオタク気質な人達なので、集団で敵に回すとやっかいです。某掲示板のように。
80年代に彼女のヤバさを見抜いていたのがスタンリー・キューブリックで、その経緯はWikiに詳しい。
他のキューブリック作品でも多い例だが、キューブリック自身が本作品の字幕翻訳をチェックしている。当初、日本語字幕への翻訳は戸田奈津子が担当したが、ハートマン軍曹の台詞を穏当に意訳したため、再英訳を読んだキューブリックは「汚さが出てない」として却下、急遽、原田眞人が起用され作業にあたった。
「戸田訳が上品だったのでクビ」ということらしいが、翻訳のニュアンス程度の問題なら修正指示で済んだと思う。キューブリックは大物俳優でもワンシーンに100テイクとる監督だ。それは役者を信頼している証拠でもある。このことはプロダクションのスタッフの一人である翻訳者に対しても当てはまっただろう。もしキューブリックが彼女を信頼していたならリテイクで済んだはずだ。そう考えると、キューブリックが彼女をクビにしたのは、別の原因があったんじゃないか?
誤訳よりヤバいことは、言ってもいないセリフを付け加えることです。
彼女の悪癖を『ファイト・クラブ』で紹介しよう。パブの地下で集会を開いていることをオーナー(Lou)に見つかったシーン。タイラーがオーナーに襲いかかりながら言うセリフは・・・
You don’t know where I’ve been, Lou.
直訳:あんたは俺がいる場所を知らない、ルー。
意訳1:あんたには俺の境地がわからないんだ、ルー。
意訳2:見逃してくれよ、ルー。
・・・ってな感じでしょうか? 英語では1と2の両方の意味を兼ねていたと思います。
ちょっ・・・w
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