『ウォール・ストリート』(続編)の何がつまんねーのか。

 

前作(つまり80年代後半)と対比して変化したのは情報の在り方である。

情報が実在物から虚ろなものへと転換したのだ。そもそも前作のテーマであったインサイダー取引というのは、ある企業機密をうまく入手して、これを有利な証券取引へと応用することにある。かつて情報は、内部に潜入し奪い取るモノだった。

前作『ウォール街』(1987年)より。モバイル・スキャナで情報をぱっくています。チャーリー・シーンが演じていますが、当時トム・クルーズが監督に電話して、この役おいらにやらせて、って言ったんだってさ。
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他方、続編(現代)では、インターネットが拡充しており、根も葉もないウワサでも簡単にまことしやかな情報として社会を駆け巡る。となれば、もはや企業機密を入手するのではなく、取引で有利になるウワサを拡散する風説の流布(spread of rumor)という手口が横行する。それでレバレッジをきかせて空売りするわけだ。

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前作でも、儲けのお膳立てをしたうえで、マスコミに情報をリークする場面はあったが、それはあくまでも補助的なメディアとしてでしかなかった。しかし、現在ではインターネット上に成り立つ社会が現実の経済社会を動かしている、少なくとも、映画ではそうだ。

・・・うーんとここまで書いていて、なんか青臭い学生の卒論みたいでしょ?、そうなんだよ、この映画、青臭いんだよ。グラフィックとか、なにもかもが。映画で主張したいことはわかるんだけど、マイケルダグラスの「娘との和解」と「ハメたやつへの復讐」はもう少しスマートに描けたと思うんだよなー。

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